プロジェクトマネジメント・ナレッジのコーナーでは、プロジェクトマネジメントに関する情報、知識を掲載しています。
あなたのプロジェクトマネジメント習熟度、ご関心に応じて、必要な記事をご参照ください。
タイトル | PM習熟度 |
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PMBOK(R)ガイドのご紹介 | 入門 |
プロジェクトマネジメントの価値 | 入門 |
プロジェクトマネジメントのワン・ツー・スリー | 入門 |
世界中で読まれている僕のこと知っているかい?
「PMBOK(R)ガイド」という書籍名を耳にしたことがある人も多いかと思います。
また、ちらりと見たけど、大きくて分厚い書籍だという印象をお持ちの方もいるでしょう。
PMBOKとは、Project Management Body of Knowledge=プロジェクトマネジメント知識体系のことです。プロジェクトマネジメント(PM)に関するあらゆる知識を示す抽象的な概念であり、人々が個々にもつ知識や文献等を全て含めたものと定義されています。
PMBOKは米国のプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute、(PMI))の登録商標です。それゆえ、「PMBOK(R)」と記載します。
正しくいうと、「PMBOK(R)」そのものは、プロジェクトマネジメント知識体系を指すものであり、書籍を指すものではありません。
「PMBOK(R)ガイド」は、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の略称です。PMIが発行するプロジェクトマネジメントの基本的な知識に関するガイドブックを指しています。
PMBOK(R)ガイドは、プロジェクトの実施に必要な知識をプロセスの観点から整理し、記述してあります。現在は、プロジェクトに従事する人々の共通認識、共通言語として世界的なデファクト・スタンダードとなっています。
本書の第一の目的は、「良い実務慣行として一般的に認められているプロジェクトマネジメントの一部分を特定すること」とされています。
それゆえ、あらゆる業種のほとんどのプロジェクトに対して適用できる汎用的なものとなっている点が特徴です。PMは新しく展開している専門分野であります。本書はその専門分野の共通の用語集としての役割をもち、PMの実務者にとって不可欠な図書となっています。
PMの新たな勃興にともない1969年にPMIが設立され、その活動の一環として1983年に倫理規定、規程実施手順、6つの主要知識エリアから構成された標準のベースラインを含んだ初版が発行されました。
その後1986‐87年、1996年、2000年、2004年、2008年と改訂され現在の第4版に至っています。
PMBOK(R)ガイドは、4年ごとにその内容の見直しと更新が行われ、今では11ヶ国語に翻訳されています。どの言語であれ、同じページに同じ内容が記述されています。
プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービスを創造するために実施される有期性の業務と定義されています。本書は、単一プロジェクトのプロジェクトマネジメントを対象にしたものです。
プロジェクトマネジメントにかかわるすべての内容を記述しているものではなく、方法論というよりもあくまでも知識体系のガイドです。
また、本書の著作にあたっては、プロジェクトマネジメントに従事する多数の実務者がボランティアとして参加しています。
PMBOK(R)ガイドをPMの方法論と誤解している人が多いのですが、本書は方法論ではありません。PMの方法論とは、プロジェクトをマネジメントするための一連の慣行、方針、手順、ガイドライン、ツール、技法、テンプレート、作業フローなどを備えたもののことを指します。
「プロジェクトマネジメントの方法論」については、こちらをどうぞ。
PMBOK(R)ガイドでは、プロジェクトを実施する5つのPMプロセス群(「立上げ」、「計画」、「実行」、「監視コントロール」、「終結」)を定義しています。
さらに、第4版ではこの5つのプロセス群は42のPMプロセスから構成されており、それらのプロセスはPMに使われる9つの知識エリア(「統合」、「スコープ」、「タイム」、「コスト」、「品質」、「人的資源」、「コミュニケーション」、「リスク」、「調達」)に分類されています。
PMBOK(R)ガイドは標準という位置づけにあることから、プロジェクトマネジメントに関わる要素を1つの体系として記述しています。
今日のPMにおいては、異なる文化をもつ複数の企業が参画しプロジェクトに取り組んでいます。そのようなプロジェクト環境において、実務者すべてがグローバル・スタンダードとして共有できる手法をもつことによる効果は絶大なものです。
変化の時代にあって、ますますプロジェクトによる業務の執行が増加していきます。プロジェクトの世界に限らず一般ビジネスにもPMは欠かせないものになってきます。
PMの基本的な知識を網羅したPMBOK(R)ガイドは、その汎用性から今後、あらゆる産業界にて広く使われる図書となることでしょう。
PMBOK(R)ガイドは、標準書という性格、また、知識体系の骨子の記述のため、その文章が無味乾燥で読みづらいということを多々、耳にします。
それは、なじみのないPMの専門用語をはじめ、42のプロセス、インプット、アウトプットの背景、テンプレート等が文書として表示されているので、スーッと頭に入ってこないという点があげられるかと思います。このPMBOK(R)ガイドが取っつきにくい書籍だというのは、米国にても当てはまるようです。
PMBOK(R)ガイド第4版作成のプロジェクト・マネジャーがPMBOK(R)ガイドをより理解しやすいようにと著作した書籍「A User's Manual to the PMBOK(R)Guide」がPMBOK(R)ガイドの理解の役に立ちます。
プロジェクトマネジメント情報研究所の代表、清水計雄が過去10年ほどの知己である著者Cynthia Snyder Stackpole氏から「A User's Manual to the PMBOK(R)Guide」の紹介を受け、翻訳をしています。その名もズバリ「PMBOK(R)ガイド・マニュアル」!
Cynthia Snyder Stackpole氏から日本の読者へのことば(こちらをどうぞ)
「PMBOK(R)ガイド・マニュアル」の詳細(こちらをどうぞ)
「プロジェクトマネジメントは、宇宙開発や東京スカイツリー建設のような巨大なプロジェクトに使う手法。弊社には、関係ないよ。」と思っているあなた!
そんなことはありませんよ。プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの規模や業種、業界を問わずに活用できるマネジメント手法です。
1960年代の米国の宇宙開発に起を発するこのマネジメント手法も、時代とともに、ありとあらゆるプロジェクトに取り入れることができる手法として進化しています。
プロジェクトマネジメントの基本その1
これで、行き当たりばったりに仕事(活動)を行うときに陥る落とし穴を避けることができます。
プロジェクトマネジメントの基本その2
関係者全員が同じ情報をもって、仕事(活動)に取り組むことができるようになります。
まさにドラッカーがいうコミュニケーション「同じ事実を違ってみていることをお互いに知ること」が可能になるのです。
プロジェクトマネジメントの基本その3
過去の資産で使えるものをどんどん活用することで、時間とコストの削減を図り、組織の経験値が増えていきます。
まずは簡単なところからプロジェクトマネジメントを体験したいですよね。
会社で新商品展示会のイベントを行うことになりました。ここにプロジェクトマネジメントを取り入れることを考えていきましょう。
プロジェクトは、始まりと終わりがある期限が決まった活動です。
プロジェクトを進めるに際しては、「立上げ」、「計画」、「実行」、「監視・コントロール」、
「終結」の5つのプロセスがあります。
を明確にしたプロジェクト定義書を作成します。
関係者から情報を収集して、プロジェクトの中身を段階をおって、詳細に定義していきます。プロジェクト定義書があれば、関係者が一目でプロジェクトの概要を知ることができます。
を記述したプロジェクトマネジメント計画書を作成します。これがあれば、誰が、いつまでに、何をすればよいのかが、明らかになります。
このプロセスは、実際にプロジェクトの作業を行うところです。
関係者とコミュニケーションをとったり、計画と実践を比較したり、問題の対処など、実行に伴うマネジメント作業があります。
実際の進捗具合を計画書と照らし合わせ、
をチェックします。作業の進捗具合を把握することができます。そして、必要に応じて是正作業をすることができるのです。
プロジェクト作業を行えば、それで終わりというわけではありません。
今回のプロジェクトに関係する資料、また今回のプロジェクトからの教訓を次回のプロジェクトのために記録します。
そうすることで、また同じようなプロジェクトを実施するときに、過去の経験を活かすことができます。
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの規模や重要度、経験値に応じてマネジメントすればよいのです。難しく考えずに、できるところから始めましょう。
営業部に所属する新田沙織は、2か月以内に、新入社員向けの営業部のオリエンテーション・プログラムを作成し、第1回のオリエンテーションを実施するプロジェクトに割り当てられました。
このプロジェクトをどのように進めるのか、タスクリストを作成するまでのプロセスを新田沙織と一緒に考えてみましょう。
このタスク一覧表を基にプロジェクトの進捗をマネジメントしていきます。
たとえば、急に3日間の出張が入りました。第5週目に予定していた作業ができそうもありません。
さぁ、新田沙織はどうすればよいでしょうか?
今日、組織が成功を収めるには、既存の事業にとどまることなく、イノベーションを進めていくことが不可欠です。組織の経営理念、経営計画に沿ったイノベーションを組織のメンバーが理解し、実施していくことが必要です。
そのための方法論として、プロジェクトマネジメント情報研究所では、プロジェクトマネジメントのアプローチを適用したPBIBメソッドを提案しています。
*PBIBメソッド : Project Based Innovation for Business